11月のとある日のこと、日本赤十字社中四国ブロック血液センターから1通の封筒が届きました。
「親展」って書いてある〜(ドキドキ)
封筒の中身は『B型肝炎ワクチン追加接種プログラム』へのご協力のお願い。
聞いたこともないプログラム参加の依頼状がいきなり送られてきてビックリ。
ネットにもあまり情報がなくて、参加するかどうか迷ったのだけど、せっかくの機会なので協力させていただくことに。
B型肝炎ワクチン追加接種プログラムの体験内容&感想などをまとめてみました!
B型肝炎ワクチン追加接種プログラムとは??
ざっくり言うと「B型肝炎の感染予防や治療等に使われる製剤を人体で効率的に作るためのプログラム」(※個人的解釈です!)
もう少し詳しく説明すると・・・
B型肝炎の母親から生まれた子供やB型肝炎の患者に使用した針を誤って刺してしまった医療従事者への感染予防、B型肝炎患者の肝臓移植手術後の再発防止等に使われるのが、抗HBs人免疫グロブリン製剤
この抗HBs人免疫グロブリン製剤を作るには、B型肝炎ウィルスの増殖を阻止するHBs抗体を多く含む血液が必要
↓
そーゆー都合の良い血液を通常の献血だけで確保することが困難
↓
献血協力者の血液検査結果からHBs抗体を保持する人を抽出
B型肝炎ワクチンの接種経験とプログラム参加の意思があって献血基準に適合する人にB型肝炎ワクチンを追加接種
↓(体内で抗体増幅中)
体内の抗体産生ピーク期間(接種後2週間〜4週間以内)に採血して、HBs抗体を多く含む血液を入手
↓
抗HBs人免疫グロブリン製剤の国内自給率の向上を目指す(ちなみに平成30年の国内自給率は3.6%)
というプログラムです(ざっくり!)。
人体でHBs抗体を製造するとは、なんと斬新なアイデア
ちなみに
・プログラムの参加費用は不要(ただし交通費は自己負担)
・プログラムで使用されるワクチンは、日本で市販され20年以上にわたって数百万人に接種されているもの
・万が一ワクチン接種に起因すると考えられる健康被害が発生した場合は、補償制度が適用される
とのことです。
ワクチンが必要のない人に貴重なワクチンを使うのって、逆にもったいないような気がするけど・・・
ワクチン接種までの流れ
申込書送付
返信用封筒で協力申込書を返送すると、数日後に献血センターから日程調整の電話がかかってきました。
可能ならワクチン接種前に成分献血(プログラムとは無関係)をお願いしたいとのことだったので、合わせて予約。
当日
肩に注射するから腕回りがゆったりした服装をチョイス。
プログラム参加者が特に優先されるわけではなく、いつもどおり問診票入力〜血液検査を済ませた後、40分ほど成分献血。
ここまででトータル70分くらい経ちました。
献血の後はいよいよワクチン接種と身構えていたら、
献血後は30分くらい休んでいただいてからワクチン接種します
担当者
とのこと。後で見たら案内文書にも書いてありました。
お菓子や飲み物をいただきながら待合室で待っていたら、20分くらい経った頃に必要書類記入のご案内がありました。
リーフレットはお読みいただいていますか?
担当者
読みました
何かわからないことはありますか?
担当者
特にありません
それではこちらの同意書と問診票に記入をお願いします
担当者
撤回書も付いていますので、プログラムを辞めたいときはいつでも撤回できます
担当者
それ以外は特に口頭説明もなくて拍子抜け。次回の成分献血も予約しました(←これが超重要!)。
ワクチン打つだけでそんなに大ごとでも困るけど・・・
献血終了からきっかり30分後に小部屋に呼ばれて、肩に筋肉注射を打って、待合室でしばらく休憩したら、その日はお役目終了!
ワクチン接種後の経過
注射を打った部位は特に腫れや赤みなどの副反応はなくて、接種から2日間は押すとちょっと痛みがある程度。
インフルエンザの予防接種ですら10年以上受けていないから今回のワクチン接種は緊張したけど、とりあえず体調の変化はありませんでした。
接種後の状態について、次回の成分献血時に書類(異常の有無を記載する様式)の提出をお願いされました。
役立つ血液になってるといいなー
ワクチン接種後の成分献血
ワクチン接種から3週間後、血漿の成分献血に協力しました。
ワクチン接種後の成分献血がこのプログラムで一番重要なんだけど、だからといって普段より多く採血されることもなく、普段どおりの成分献血でした。
HBs抗体価の測定結果
成分献血からおよそ1週間後、血液センターから『B型肝炎ワクチン追加接種プログラム』HBs抗体価測定結果のお知らせが届きました。
ドキドキしながら結果を確認すると、記載された測定結果は10,000mIU/mlちょっと。
抗HBs人免疫グロブリン製剤の国内製造用原料血漿として活用するために必要な抗体価は20,000mIU/ml。
基準に満たない私の血液は、通常の献血血液として活用されたようです。
何だか申し訳ない気持ちでいっぱい
まとめ
B型肝炎ワクチン追加接種プログラムへの参加のハードルは全然高くなかったけれど、役立つ血液を作るハードルはとっても高かったです。
プログラムに貢献できてもできなくても、献血すること自体が立派な社会貢献!
貴重な経験をさせていただき、血液について考えるきっかけになりました。
ちなみに家族にはプログラム参加の案内が届いたことはないとのこと。基準が気になります。
この記事がプログラムの参加を迷っている人の参考になれば嬉しいなー